尼崎市の福知山線の脱線事故から4日目の28日、今度は高速バスでも悪夢のような事故が発生してしまった。福島県の猪苗代町の磐越自動車道で、近鉄バスが横転してしまい、3人が死亡し、24人が重軽傷を負ってしまった。バスは大阪市から仙台市へ向かう路線だった。
運転手は事故の原因を左窓の小棚が空いていたと話し、その上でのハンドル操作のミスで横転をし、このような惨事が起きた。これは不注意運転であり、運転をする者にとって基本的な点が欠けていたといわざるを得ない。

犠牲者のご冥福をお祈りいたします。

バスの場合は、鉄道よりも過酷なのは、全てにおいて運転手の責任に任され、事故が起きた場合は運転手の責任が明確になるケースが多い。まれに昨年の三菱ふそうの事件などで生じた車体による瑕疵があるがこのようなケースは少ない。つまり鉄道の場合は運転手の瑕疵などで事故が起きるケースは少なく、信号装置などの設備面などを含めて複合的な要因になりうるのに対し、バスの場合はほとんどが運転手に全てを負わせている点がある。一昨年、JRバス関東の運転手が東京と大阪を結ぶ高速バスで飲酒運転を行い、運転手が逮捕されたケースもある。(この事件は死者が出なかったので道路交通法違反だった)

鉄道、バス、航空と全ての公共交通機関に物申すが、公共交通を担っている以上は、安全第一で行かなければ話にならない。尼崎の脱線事故でJR西日本の社員教育の無謀さが大惨事の遠因と見る報道があるが、バスもこのような状況は変わらない可能性もある。
バス業界では賃金や営利のための子会社化が頓に進んでいる。これはバスの利便性拡大と引き換えに行われている。その為、バスの利便性向上でも運転手からは素直に喜べない人もいるのではないか。

公共交通を担っている以上は、しっかりと安全第一で行うべきではなかろうか。これを守れないのであれば、公共交通を担う資格はない。また、バスの子会社化も合理化などの点で必要な点があるが、運転本数を増やすなど利便性向上だけがサービス向上とはいえない。安全こそが最大最高のサービスではないか。