b2608a0b.JPG6月28日の一部の新聞(リンク先は東京新聞)では、千葉県と日本道路公団が夏休み中に限り、東京湾アクアラインの通行料金を割引し、早朝深夜は1000円にするという内容の報道があった。これは現在行われているETC搭載機器車に対する社会実験の延長だ。この実験では、ETC搭載の普通乗用車は、2300円程度で通行が出来る。

これは国土交通省の地域における課題解決型社会実験の一環として行われ、赤字分は国や県が補填する事になりそうだ。

さて、東京湾アクアラインが値下げをするとどのような効果があるのか?2000年には現行の3000円に引き下げられ、自動車交通量は増加をした。しかし、翌年や翌々年は大きな交通量増加には至っていない。これはアクアライン自体が、人口規模が少なく、観光地としてもあまり目立たない房総半島をバックにしている点があるからではないか。つまり房総半島の魅力自体が、東京湾アクアラインに対して、足枷になっている点もある。
一方で、アクアライン近辺の道路では混雑緩和が期待される点もある。一例を挙げると木更津市を通る館山自動車道と連絡する京葉道路は、千葉市の穴川付近で激しい渋滞を引き起こす。京葉道路を経由しない自動車が少しでも減ればここの渋滞は解消される可能性もある。また、これまで認識されていなかった東京湾岸周りのバイパスルートも認識されれば幸いだろう。
アクアラインを完全に生かす方法として、一つは房総半島の活性化が重要になるだろう。房総半島は産業面では、中部は活性化している点があるが、南部は第一次産業の強い地域といえよう。将来は第一次産業の良さを生かしていくべきではなかろうか。観光開発は、1987年のリゾート法による失敗が多いので、これを生かした発展は考えない方が良いだろう。また、第二次産業は木更津市のかずさアカデミアパークなどが中心になっているが、現在ここの状況は悲惨なままであるので、ここをもう少し生かす策が欲しい。
バイパスルートとして認識されるには、館山自動車道を割引にする、アクアライン連絡道路を割り引きにするなどの策が欲しい。アクアラインを経由して、横浜から千葉市へ行く場合、首都高速、アクアライン、アクア連絡道路、館山自動車道と4箇所分の高速道路の代金が請求される。合計で5000円近くに達し、これではバイパスとして使用する車はほとんどないと思われる。料金制度の改変などが一つの鍵となるだろう。
東京湾アクアラインの活性化は、通行料金の値下げだけではなく、房総半島の活性化やバイパスルートの認識化が最大の鍵になるのではないか。