5660579d.jpg京成電鉄には扉が1枚の片開き車両を長年製造していた。2枚戸の両開き車両は1964年の3200形までなかった。それ以前に製造された3000・3050・3100・3150形は片開き車両の代表格であった。しかし、この4形式は現在消滅し、現存する片開き車両は、3200形の元々急行開運号で使用され、クロスシートからロングシートに改造された3290番台で始まった3291〜3294編成4両と3295〜3298編成4両のみとなったが、3291から始まる4両は2004年の1月に廃車になり、残るは3295から始まる4両となった。しかし、3000系(2代目)の製造による3200形の廃車が進行しているため、この車両が残るのももはや時間の問題となった。
この京成の片開き車両は自分の鉄道趣味を語る上では、外すことの出来ない電車でもある。鉄道趣味を始めた1988年〜90年頃は、京成の車両の多くが片開きの車両で、京成電車=片開きのイメージがあまりにも強かった。しかし、年次を追うごとに片開きの車両は姿を消し、ステンレス・新技術の3700形や3400形、新3000系へと次々と置き換えられた。気づけば3200形の4両だけになっていたのは、最近の車両置き換えのスピードを感じる。
4両編成なので、優等列車に使われることは絶対にないといっても断言する。京成で4両が入りやすいのは、上野〜金町間や上野〜ちはら台間の各駅停車や千葉線・千原線の区間運用で、多くが3500形などで運転しているので、虎の子のこの車両は捕まえづらい車両であるのも真実だ。時間があったら、ゆっくりまた乗車したい。そして上野から行ける所までこの片開き車両に乗って行きたい。