e100aac7.jpgつくばエクスプレスの開通から3ヶ月を迎える。昨日、つくば市を訪れた際に3ヵ月後の地域の変化を眺めてみた。

つくばエクスプレスに関するブログは3作あり、新しい順に並べてある。
http://blog.livedoor.jp/joiino/archives/50017553.html(開通後)

http://blog.livedoor.jp/joiino/archives/29667251.html(開通前1)

http://blog.livedoor.jp/joiino/archives/14728578.html(開通前2)

この日は日経新聞主催の講演会「都心から郊外へー都市再興の未来を探る」がつくば国際会議場であったので、そちらへと足を運んだ。沿線は、開通時は秋の収穫時期であったので、秋穂が実っていたが、今は枯れてしまい冬の訪れをも待っている。新御徒町駅から43分でつくば駅に到着。自宅の最寄り駅からも1時間30分で到着した。

この講演会では、つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道の社長の公演もあり、定期券利用者の増加傾向にあることやつくば駅の利用者の40%が秋葉原を目指すことや平日よりも土日のほうが利用が多いことなどを挙げていた。
それ以外にも三井不動産の社長が沿線の南千住及び柏の葉キャンパス駅近くにららぽーとを作ることで沿線のレベルを上げるなどの話や照明デザイナーの石井幹子さんの話もあった。石井さんは、筑波山から見る東京の風景などを上げ、これが地域資源になることなどの話をしていた。
・ららぽーとは三井不動産系のショッピングセンター

パネルディスカッションでは、千葉大学の古在学長、オノデンの小野社長、都市基盤整備公団の松永茨城支社長、筑波大学の蓮見教授の話があった。特に興味深かったのが、千葉大学の学長で、柏の葉キャンパス駅周辺を環境や健康に配慮し、東洋医学に基づいた地域を作りたいと話していた。この駅周辺は、東大の柏キャンパスと千葉大学の農場があり、運動公園などもあるので特に自然があふれている。柏市は常磐線と東武野田線沿いでは宅地が進められたが、この地域ではその影響も少なく、まだまだ開発の余地がある。20世紀型開発よりも21世紀型開発を行うモデル地域になりうるのではないかとも考える。また、筑波大学の蓮見教授は、つくば市については来て楽しくなるような町を作るべきだと発言していた。つくば市のストロー効果なども懸念されているが、それに打ち勝つには、このつくばを新しい地域にしていくことが重要だそうだ。それぞれがそれぞれの立場からの意見が目立っていたが、この地域ではこれまでにない特徴のある地域づくりが求められるのは確かだ。

4時間に渡る講演を終え、帰京する。今回はつくばエクスプレスではなく、常磐線荒川沖駅へバスで出て、ここから常磐線で帰ることにする。東京方面への高速バスも健在であるが、今日は首都高三郷線で事故による大渋滞があり、三郷から都心まで3時間以上かかるらしく、利用者も運転本数も少なかった。しかし、荒川沖へのバスは、座席がほぼ満員でつくば駅を出発した。つくばエクスプレスが恩恵を受けたのは、つくば市の一部で、依然として鉄道とは遠い地域もある。(荒川沖から続く学園東大通沿いのつくば市竹園・並木など)その為、荒川沖駅まで直通以外にも途中のバス停での降車が多く、つくばエクスプレスによる影響を受けているのではないかと推測できる。バスの通行する学園東大通沿いはロードサイドの店舗の見本市のような道路だった。約30分で荒川沖駅に到着した。
荒川沖からは常磐線で上野へ。ここから上野までの所要時間は約1時間10分。つくばエクスプレスの速さを改めて実感したようだった。バスと合わせれば1時間50分かかった。

常磐線から見ても、これまで顧客だったつくば市の常磐線に近い前述の並木などの一部地域(常磐道桜土浦インターとも近い地域)からもつくばエクスプレスへの利用が増加しているので、かなり脅威になっているのではないかとも考える。

つくば市並木の付近の地図
(西武百貨店の付近がつくばエクスプレス・つくば駅)

看板は常磐線E531系で、つくばエクスプレスに対抗する常磐線の新型車。