今日、12月12日は都営大江戸線の環状部の全線開通から5周年となる。大江戸線も開通当初は、無駄遣いの象徴のように言われてきたが、六本木や汐留の再開発や沿線の人口増加などの追い風もあり、以前のように酷評する声も少ない。これは大江戸線が都民や利用者にとって必要不可欠な交通機関であることが認識されているからだろう。しかし、駅のホームが深く、乗車口まで時間がかかる駅も多く、利用しづらい層がいるのも事実だろう。(大江戸線の開通時に大江戸線や先に開業した南北線と並行する都営バスの路線の見直しを行った結果、バスが使いにくくなったなどの声もあり、一部の地域ではバス路線の再運行などを行うことになった)

大江戸線は、開通時にはドラえもんを起用した東京どこでもドアなどのキャッチフレーズがあり、聖者の行進のテーマを編曲したテーマ曲も作られた。

北か南かどちらが利用者が多い(都庁前〜上野御徒町〜門前仲町を北、門前仲町〜六本木〜都庁前を南とする)かといえば、確実に南側(特に新宿〜六本木〜汐留間)で、北側の利用は南側ほど多くはない。これは南側のほうが、開発が多かったことなどもあるが、南側の六本木や浜松町辺りから新宿など山手線へのアクセスが脆弱で、大江戸線が救いの手となった。確かにこの地域からは渋谷や品川が近接しているものの、やはり利用客が多く、東京最大の交通ターミナルの新宿への吸引力は他の駅ではさすが敵わないということだろう。
北側は、上野(御徒町)と新宿を結ぶ最短の交通機関となっているものの、同じ新宿を目的とした都営新宿線・総武線・中央線と並行する駅が何駅かあり、新宿を目指すのであれば大江戸線よりも便利なことが考えられる。
更に新宿のターミナルも「新宿西口」「都庁前」でははっきりわからない。新宿西口駅は丸ノ内線新宿駅とは乗換えが便利であるが、それ以外の路線は乗り換えに時間が少しかかる。やはり南側の「新宿」駅のほうが「新宿」というシンプルな名を取っただけあり、利用がしやすい点もある。
しかし、都営地下鉄間で相互に使うならば便利であるが、東京メトロの他の路線と接続している場合は、東京メトロ分が取られることがあり、近いながらも敬遠されるパターンもある。一例が、広尾→新高円寺間で、この場合、六本木と中野坂上で乗り換えると便利であるが、450円かかり、銀座駅で日比谷線から丸ノ内線に乗り換えたほうが230円と半額で済むので、敬遠される傾向にある。(定期の場合は1ヶ月通勤で1万円以上の差がつく)
また、同じ都営地下鉄同士であっても、蔵前駅の大江戸線と浅草線の地上連絡乗り換えや南部における三田線と大江戸線の未接続など問題もある。

2002年までは葛飾、2003年からは杉並に住み、この路線を違った位置から見ているが、葛飾の場合は主に浅草線との接続駅蔵前・大門から乗ったが、蔵前の乗換えを避けるという意味でも大江戸線でないと行けない駅へ行く駅(春日など)では使用回数があったが、新宿へ行くときは、浅草線から新宿線などに乗り換えるな方が便利(青戸から日暮里周りの山手線もあった)であまり使わなかった。南側であれば、勝どき、六本木や麻布十番であれば文句なしに使っていたが、他の路線で行った方が便利な箇所が何箇所かあった。
一方、杉並からの時は中央線もしくは丸ノ内線を使った上で、新宿や中野坂上、東中野などで乗り換えることが多く、北へも南へも便利になったので、結構使用している。前述の通り、新宿と上野(御徒町)を直通で結ぶ最速のルートなので、上野へ行くに使用することが多い。後は春日、本郷3丁目もこのルートを使う。飯田橋は他の路線でも行けるし・・・。南側では港区の浜松町や六本木辺りへ行く時の使用頻度が多く、大江戸線でなければどのルートでいけばいいか頭を抱え込んでしまうところだった。(大げさかも)
この5年間で都区内の東西に住み、大江戸線が居住地に与える影響がはっきり見えてきた。これはあくまでも葛飾と杉並での話であるが、他の地域例えば練馬、世田谷と江戸川、江東辺りでは違う結果が出るかもしれない。この大江戸線による利便性は地域によって差が大きく出るので、大江戸線が便利か不便かは利用者による点もある。とにかく、無駄な事業だとは言わないでほしい。