1f35cdcf.JPG今日は身近な交通機関として関東バスを取り上げる。関東バスは中央線の中野〜三鷹間を主なエリアとし、近接する西武池袋線や西武新宿線、京王井の頭線の各駅や団地などの住宅地とをつなぐバス路線を運営している会社だ。京成・東武・小田急・西武・京王など私鉄資本のバス会社の多い都内のバス会社の中では数少ないバス専門の会社で、鉄道系バス会社にはない独自の展開も見られる。そんな関東バスの魅力に迫った。

関東バスは、なぜ中野区や杉並区、武蔵野市などを本拠地としているのに城西バスでもなく関東バスかといえば関東乗合自動車という会社が前身で、それが関東バスになったという。カラーリングは、赤・青・白の3色で、ラッピングバスやカラーリングの変更が行われる会社に比べれば色は伝統を保持している。たとえノンステップバスなどが投入されても、この色だけは堅持している。

関東バスの最大の魅力は、「待たずに乗れる」「狭い空間を否応なく通過する」「車両の豊富さ」の3点にある。最大でも20〜25分以内の運転間隔を確保し、たとえ幅4〜5mの道路でも、大型車がどんどん通過する姿や狭い道を通過したり、利用者数・区間の長さなどの対処するために大型車・中型車・小型車と多くの車を用意し、輸送の適材適所にあっている。路線の特徴として、人口の多い場所を通過するので、駅から1〜2kmの路線であっても、特に雨や雪などの時は利用者が多く、短距離で稼ぐ比較的効率のよい路線になっている。

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空間が狭い中、通過する路線は中野区や杉並区の道路事情を考慮しなければならない。両区とも非常に狭い道が多く、自動車などで通るには危険な道も多数ある。それでも路線を確保しているのは、利便性の向上やバスサービスの確保であるとも言える。そんな中で、最もこの真骨頂が体験できるのが、中野駅〜野方を結ぶ中01系統と高円寺駅〜永福町駅間を結ぶ高45系統、阿佐ヶ谷駅〜石神井公園駅を結ぶ阿50系統の3本を紹介する。中01系統は、中野発野方行きは環七を通過するので余り面白くないが、逆の野方発中野行きは狭い空間を大型車が走行し、その中でバス停があり、利用者も多いので一つお勧めの路線でもある。高45系統は特に丸ノ内線新高円寺駅からの区間がお勧めで、しばらくすると幅4mの道路に入る。そんな中で、狭くて窮屈な道をバスがすれ違う道などは乗っていて感動する。なお、この路線は道路事情を考慮してか、7mの小型車が利用され、京王バスと関東バスが交互に来る。
高45
高45系統は、朝夜は新高円寺駅〜永福町駅間の路線に変更し、新02系統となるので注意が必要となる。関東バスの場合は、例え同じルートを通過しても発着箇所が異なれば、別の番号をつけるので、この点では紛らわしいので、注意が必要となる。45と番号だけで覚えていれば痛い目にある。
阿50系統は、特に西武新宿線下井草駅周辺では、歩道のない商店街を、通過するので、特に歩行者にはあまり優しくない路線であるため、バスの通過を好ましくないと考えている人も多々いる。そして、石神井公園駅の手前では同じく1.5車線分の道路や商店街を通過する。乗っている側からすれば楽しい路線かもしれないが、危険と背中合わせなのも事実でもある。この路線は、二つの狭隘空間を通過するので、比較的小さめのバスが使用される。

まだまだ関東バスは魅力が沢山あり、これだけでは伝えきれないが、杉並区や中野区の地域のさまざまな点を感じるには、大変魅力的な交通機関とも言える。中央線文化圏と一括りにされそうな地域でもあるが、実は隠れた魅力が多数ある。魅力を満喫したければ是非一日乗車券(500円)を関東バスの案内所やバスの車内で購入し、さまざまな路線に乗ってほしい。