b1d756c1.JPG京成のダイヤ改正で,快特がデビューして2ヶ月が経つ。快特といえば,京急の看板列車の種別として長年親しまれたが,京成では初めてだ。京成の快特は,特急との差は,佐倉〜成田間が特急では停車になるものの,快特はこの区間を通過する。それだけの差だ。昨年12月の改正以前の特急の停車駅と同じだ。おまけに日中は走らない。

今日は京成の快特よりも京急の快特の話題をしたい。京急の快特といえば,私は2000系車両を思い出す。
2000系は,1983年にデビューしたクロスシート車で,90年代まで京急の代表的な電車だった。この電車は,横浜に行く時などによく乗車していた。自宅の最寄り駅からは横浜までは京成・浅草線・京急線経由で,乗り換えなしでいけるが,この電車に乗りたいがために,品川駅で降りて,この電車に乗った事が多かった。京急2000系は,前面のシャープさが高速運転を思わせるので,小さい時は憧れの電車だった。横浜や横須賀,三浦半島へ行く時は,乗車を大変楽しみにしていた。しかも2ドアのクロスシートで大半が進行方向を向いて座るので,ちょっとした旅気分を味わえた。

京成快特快特という種別も,京急の高速走行のイメージや座席などの配置に見られる非日常性を醸し出す上では,適した種別だった。しかし,京急は99年の全面ダイヤ改正で,ロングシート車主体の浅草線の直通列車にも快特という種別を使い,この時点で,価値が半減してしまった。更に,京成まで使い出した。はっきり言って,京急の速達列車のイメージの強い快特がだんだん違うものに変えられて,残念だ。日常的な列車のイメージが極めて強い京成には安易に使って欲しくなかった。

これは何を意味するのだろうか?快特といえば,非日常的なものを味わえたが,そのような列車は,半分非日常的なので難しい点があるのかもしれない。時代の変化が,快特を違うものにしてしまったのかもしれない。しかし,品川発着の快特に使っている2ドアクロスシートの2100系はかつて2000系の快特で乗車したようなオーラが今でも感じられる。京急の魅力は,高速運転やクロスシート,落ち着きのある車内など非日常的なことを手軽に味わえるからかもしれない。たとえ,湘南新宿ラインがデビューし,新宿から横浜や横須賀方面へ直通できたり,東急東横線の乗車機会が増加し,東横線が身近になっても,横浜へ行くには京急に乗車することも多いのは,慣れもあるが,どうしても京急の良さを味わいたいからだ。