首都圏の私鉄磁気改札システムのパスネットのカードが1月10日を持って販売が中止になり,3月14日を持って使用終了となる。スイカ・パスモのICカードシステムへの移行から約1年,パスネットはその役目を終えることになった。 パスネットは,当初は都営地下鉄・営団地下鉄の共通カードシステムからスタートし,2000年にはパスネットとして関東の多くの私鉄で使用が可能になった。この頃から,会社毎にパスネットの柄の販売が行われた。このパスネットは,自動改札を通せるだけでなく,乗車券なども購入できた。券は一枚につき1000円,3000円,5000円の3種類があった。 しかしパスネットは,改札システムの改良などをしなければならず,大手私鉄では導入が可能になったが,中小私鉄では導入があまり進まなかった。このような改札システムは便利なのには変わらないが,発展性が少なかった。 ICカードのスイカ・パスモに移行した現在,カードを集めるなどの楽しみは大きく減ったが,利便性は享受している。これまでパスネットで乗車する事が出来なかったバスに乗車できなかったり,例えば江ノ電などこれまでパスネットの使えなかった鉄道路線でも使えるようになった。これは低い投資で利便性の向上が可能になったからではないかと推測する。江ノ電だけでなく,関東鉄道や千葉モノレールでの利用開始も検討している。 パスネットなどの磁気カードの利点は,「持ち運びがしやすい」ことにあるだろう。パスネットもそれは同様だ。スイカなどのICカードの場合は,カードを持っていれば便利かもしれないが,持っていない場合は,わざわざ購入しなければならず,使用額が余ってしまえば,次はいつ使うかわからない事もある。それに対してパスネットは,購入額を終わってしまえば,使いきりなので,使い終わった後は保存がしやすい。それ故に,短期間滞在などの場合は便利だった。私は,大阪や名古屋,福岡などの都市へ行った際は,スルットKANSAIやトランパスなどのカードを購入する事が多いのは,上述のような事情があるからだ。 パスネットは,買うにも楽しみが多かった。会社毎に違う柄のものが販売され,レアな柄に関しては発売駅での争奪戦なども行われた。一番よく覚えているのが,京成3000系のデビュー時に3000円のパスネットを購入したかったが,あえなく失敗してしまった。それだけでなく,京成の創設当時から赤電の3100系,旧スカイライナーまでの車両を集めた懐かしの車両シリーズは全て購入した。京成だけでなく,買いたいものがあれば他の私鉄まで購入しに行く事もあった。 多くの思い出があったパスネットが発展解消してしまうのは残念であるが,このパスネットは鉄道の乗降を便利にしたのは間違いがない。