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先日のニュースを聞いてびっくり。来年から岡山市が政令市になるそうだ。今回は久々に地理的な話題として政令市の話題についてあげよう。

政令市はここ数年,雨後のたけのこのように増加している。2005年以降でも,静岡市・浜松市・堺市・新潟市が新たに政令市に加わった。以前は人口が100万人以上の都市が政令市であったので,政令市=100万人以上の規模というのが刷り込まれている。ただし,千葉市は90万人にもかかわらず,政令市なので,千葉市の時点でそれが覆されたが,政令市にはもう一つの大きな基準があった。

それは,新幹線や特急列車の最速達の列車が停車するかどうかだ。

2003年時点の政令市には新幹線・特急の最速達列車が停車した。

札幌市⇒新幹線はないが,特急列車の起点駅

仙台市⇒東北新幹線「はやて」の停車駅

さいたま市⇒東北新幹線「はやて」を含むほぼ全列車,上越新幹線のほぼ全列車の停車駅

千葉市⇒房総の特急の停車駅

川崎市⇒該当せず(しかし別の理由がある)

横浜市⇒東海道新幹線の全列車の停車駅。東海道線もほぼ全列車の停車駅(ただし,東海道線の通勤快速湘南ライナーは通過)

名古屋市・京都市⇒東海道新幹線の全列車の停車駅,

大阪市⇒東海道・山陽新幹線の全列車の停車駅

神戸市・広島市・北九州市⇒山陽新幹線の全列車の停車駅

福岡市⇒山陽新幹線の終着駅,九州の主要特急の起点駅

というように,新幹線の全列車の停車駅などというように格があった。

しかし,静岡市・浜松市は,東海道新幹線は,こだまひかりのみが停車

新潟市は福岡市同様に新幹線の終着駅,堺市は特急はないが,川崎市同様に巨大衛星都市ゆえのベッドタウンという性格になっている。

巨大衛星都市ゆえの政令市というとさいたま市・千葉市・川崎市・横浜市と堺市だろう。さいたま市と横浜市は新幹線という高速環境に恵まれているが,千葉市や堺市・川崎市は新幹線駅はないので巨大衛星都市ゆえの政令市になっている。更に千葉市・川崎市・堺市は空港に近い共通点がある(千葉市は成田,川崎市は羽田,堺市は関空)

でも,浜松市西区とか言われてもぴんと来ない。例えば,浜松市は巨大合併で,7つの区に分かれた。これには浜北や三ケ日などのある程度有名な街まで巨大な市の分区にしてしまったので,そう感じるのかもしれない。関東周辺では,埼玉県与野市がその例だ。与野市を中央区といわれても,全くピンと来ない。むしろ東京都中央区と誤解しかねない。

なんだか昔のように格のあるような政令市がなくなっているような気もする。岡山市は,神戸市や広島市同様に山陽新幹線の全列車が停車し,更には,東西だけでなく,四国や山陰方面への玄関口の役割も持つ。しかし,人口は70万人で,これも政令市という感じがピンと来ない。

そもそも政令市とは何なのだろうか,改めて考える必要があるかもしれない。なんか,余所者から見れば,●●区という行政区の区分が出来ただけなのかという感じがする。あとは行政の実務なので,生活レベルにはあまりわからないのも実態だろう。