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寝台特急富士・はやぶさを追う作戦の第二回目は,翌朝興津駅近くの健康ランド前から出発した。狙うは,上り列車で,下り列車を富士駅で撮影したので,上りは走行写真を狙おうと考えたからだ。興津駅は運転本数が変わる駅で,ここから静岡方面は10分おきに走るのに対して,富士方面は概ね20分おきになる。

向かうのは富士川駅とした。この駅では上りがかぶらず順光で撮影ができるからだ。興津から東側は断崖絶壁を走る由比付近をはじめ海と山の距離が非常に近い場所を通過する。それゆえに由比付近は東海道の親不知とも言われるそうだ。この辺りの特徴として,山側から国道1号旧道・東海道線・国道1号線バイパス・東名高速道路が接近していることにある。その為,悪天候時は交通に大きな影響を及ぼすこともある。(※1)富士川駅に着く。ここまでは初めてTOICAすなわちICカードでの乗車を行った。TOICAはSUICAのカードで使用ができた。ちなみにPASMOではTOICAを使用することはできない。

211系と富士山富士川駅では,北側に富士山を望むが,今日はあまりきれいに見えなかった・・・。ここに来る車両は211系と313系ばかりだ。しかし2007年の313系の投入完了による静岡地区全面ダイヤ改正以降は,313系と211系がつなげて走る事が多く,211系だけ・313系だけということは少なくなった。しかし車両はオールロングシートになった。113系時代の青のモケットに白のカバーをつけたクロスシートが懐かしい。313系は,トンネルの低い身延線の断面に合わせているためか?車体が211系に比べて微妙に小さく感じる。

313系の快速待っているときに1台だけ快速電車が通過した。今日は313系のロングシート車が来た。普段は沼津から御殿場線経由で小田急新宿への特急あさぎりで使っている371系による有料のホームライナー(※2)であるが,今月中のほとんどが検査のためにこうなったそうだ。普段は着席通勤で快適通勤なのに,ロングシートの日常の車両で運が悪ければ立席にならざるを得ないとは・・・

貨物列車富士・はやぶさの富士川駅の通過は7時58分の富士駅到着時刻の3分前と考えれば,7時55分頃だ。しかし7時55分になっても,列車は来ない。富士・はやぶさは長距離列車だから遅れが多いのは良くわかる。たとえ九州や広島辺りで天気が悪く,更に事故などのアクシデントがあれば,遅れが出るからだ。最悪の場合は運休などもありうる。長距離列車の運転がいかにタイトであるかということがわかる。8時になっても来ない。

富士川駅でのふじかわ待っている間に東京からの373系による各駅停車静岡行きや甲府からの特急ふじかわ2号が来た。富士川駅で特急ふじかわを見るとは・・・。先日の富士駅の寝台特急富士同様の語呂合わせだ。もしも,京成の旧荒川駅でというのは・・・。ここでは自粛する。373系はいつ見ても特急らしさがあまり見られない。なんか165系などの急行列車を少しグレートをあげたようにしか見えない。

そして8時38分頃,約40分以上遅れて寝台特急富士とはやぶさが富士川駅を通過した。待つこと1時間半近く,やっと来た。短距離列車やステンレスの列車が多い中,長い編成でそれも青の車体に白の帯のこの列車は,堂々としている。機関車は本州の西端の山口県の下関から牽引するEF66型で,ヘッドマークには富士・はやぶさと2本の列車を併記している。冒頭の写真はそれであるが,後撮りをして車体が途中で切れてしまったり,シャッターを遅く切ってしまったものもあるのは残念だった。

diamondnext hayahujiこちらはdiamond next様の提供による,駅撮りをした富士・はやぶさです。

やはりブルートレインには強いオーラとインパクトを感じる。私は乗車歴が少ないが,夢を与える列車,長距離の旅ができるという点では長い事鉄道の発展に貢献してきた。今回の富士・はやぶさの廃止は一時代の終わりになってしまうのではないか。特に九州へのブルートレインは,長い事花形の列車として親しまれてきた。新幹線が今ほど速くなく,飛行機が今ほど安くなかった1980年代までは,みずほ・さくら・あさかぜなど多くの九州行きの列車があった。その頃は九州へも鉄道利用が今よりも多かったかもしれない。東京発だけでなく,京都や大阪からも九州への列車もあったが,これは昨年なは・あかつきの廃止で一足先に姿を消してしまった。

ブルーとレインの通過せいぜい例の3人組の歌手と某女優の出身地の広島や山口辺りから東京への列車があっても良かったかもしれない。実はこの富士やはやぶさは山口県内や広島県内では比較的使いやすい時間を走る。それでも廃止になってしまうのは,車体の老朽化やブルートレインには後がないからだったのかもしれない。

この後は,ブルートレインと対照的な高速列車を撮影しに,富士周辺のある場所へと向かう。


※1 東海道新幹線は,富士川を越えれば,山側を何本かのトンネルで通過し,海が見えることもない。

※2 371系の車庫が静岡にあるので,沼津〜静岡間では朝に静岡発,夜に沼津発のホームライナーで走り,送り込みを兼ねる。