アルペン特急

2011年12月3日に公開をされた富山を舞台にした映画「RAILWAYS」。昨日、私は映画館にてこの作品を鑑賞をしてきた。内容はネタバレになってしまうので、ここではほとんど言及をしないが、この作品の出てくる車両や景色、そして富山の鉄道についての模様をここではお届けをしよう。

この先品の舞台になる鉄道会社は富山地方鉄道(ホームページはこちらより)だ。富山地方鉄道は富山市を本拠地に富山県内に多くの路線網を持つ鉄道だ。

西武5000ノンヘッドマーク
富山地方鉄道という会社は、西武鉄道のレッドアロー5000系の中古車の16010系をはじめ、京阪電鉄の中古車も走り、東西の特急形車両が集う私鉄になっている。特に西武のレッドアロー5000系の16010系は、最近では水戸岡鋭治氏のデザインでアルプスエキスプレスという列車も走り出した。西武のレッドアローが水戸岡さんのデザインで走るようになるのは意外だ。(レッドアローは横瀬で2008年10月撮影)

富山地鉄オリジナルカラーの車両
この会社にはオリジナルの車両も存在をしている。作品の中でも出てくる14760系は1979年に日本車輌で製造をされた転換クロスシートの車両だ。2009年8月に富山地方鉄道に乗車をした際にはこの車両に乗車をした。

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こちらは10020系車両だ。これは、全国各地に過去に存在をしていた日本車両標準車両と言われるいわゆる前面に2枚の大きな窓のある車両だ。オリジナルの車両と西武・京阪からの車両のいるこの会社は乗車をしてみると面白いかもしれない。(この写真は2010年10月撮影)

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作品中に南富山駅がよく出てくる。この駅は富山地方鉄道の研修所などがある。これは2010年に富山へ行った際に撮影をした南富山駅からの路面電車だ。この作品では、中川家の礼二さんが出演をしているが、この方は京阪電鉄と造詣の深い方なので、京阪電鉄の車両の中古の走っている富山地方鉄道を舞台にしたこの作品は、適役ではないか。

続いて、富山と各地を結ぶ特急列車を紹介をする

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まずは東京方面から富山へ行く場合は、東京駅や上野駅などから上越新幹線で越後湯沢駅へ行き、越後湯沢駅からは681系・683系を使う特急はくたか(上の写真)に乗車をするのが一番ポピュラーなルートだ。東京駅や上野駅などから上越新幹線で長岡駅まで行き、長岡駅から特急北越(下の写真)のルートもある。こちらは昔ながらの485系が使われ、料金もはくたかに比べれば若干高いので利用者はあまり多くないが、繁忙時にはくたかが満員になるときも北越も満員になることもある。東京周辺のJRの駅で発売をしている北陸フリーきっぷを使った場合は、越後湯沢駅乗り換えの特急はくたか・長岡駅乗り換えの特急北越の両方が利用ができる。北陸新幹線の開通後には状況が一変をしそうだ。

特急ひだ

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続いて名古屋方面を結ぶ特急列車を紹介をしよう。富山県とSKE48の本拠地・名古屋を結ぶ特急列車は高山本線経由の特急ひだ(上の写真)、東海道本線・北陸本線経由の特急しらさぎ(下の写真)の2本がある。ひだはキハ85形、しらさぎは683系が使われる。現在、愛知県からは富山県までは高山本線の西側に太平洋側と日本海側を貫く形で東海北陸自動車道が開通をした。その為、特急ひだ・しらさぎともに完全に競合をする。以前、名古屋駅の近辺で名古屋と富山県を結ぶきときとライナー(詳しくはこちらへ)というバスを目撃をしたが、これもその効果かもしれない。余談であるが、富山県のコミュニティFMでは、SKE48放課後倶楽部(ホームページはこちらより)というラジオ番組を放送をしている局もある。

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最後に大阪方面を結ぶ特急列車を紹介をしよう。富山県と京都・大阪方面を結ぶ特急列車は特急サンダーバードで、681系・683系が使われる。昨年までは485系が特急雷鳥として使われていたが、今はサンダーバードだけだ。NMB48の本拠地・大阪を目指すこの列車は、湖西線で130kmの速度で走り、関西と北陸3県の高速輸送に大きく貢献をしている。

映画「RAILWAYS」は、ストーリーとしては運転手の話であるが、離婚寸前の夫婦間のすれ違いの模様なども描いている。公開からは少し日が経ってしまったようであるが、まだまだ上映をしている映画館もある。是非見に行って欲しい映画の一つだ。また森口将之さんの書いた富山から拡がる交通革命という本は、この作品を見るにあたっては参考になるかもしれない。