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いよいよ28日にラストランを迎える京成3300形。ここでは京成3300形の最後の乗車と撮影について報告をしたい。

2月のある平日の日、京成3300形の3304Fが各駅停車の運用についていることをツイッターで知った。この列車であれば、朝に運用に入れば昼間の運用があるために撮影ができるかもしれないと考えた。これが本当に定期列車として最後の機会だからだ。

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まずは各駅停車高砂行きとして日暮里駅で撮影をした姿だ。2009年に新AE形の運行開始前に新しい駅舎になった日暮里駅。このような駅舎に唯一乗り入れた赤電が3300形だ。成田空港への出発点としての日暮里駅、この駅に京成を40年以上走った古豪が乗り入れる。

撮影地として選んだのは、荒川の鉄橋と言いたいが、今回は千住大橋駅の近くのカーブで撮影をすることにした。ここは京成屈指の名所だからだ。

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練習電として撮影をしたのは、3600形の特急成田空港行。もう3600形も初期の車両が製造をされて30年以上が経過をする。全体的に25年以上が経過をしている車両がほとんどだ。時の流れは速いものだと思う。特にこの車両に関してはそのように感じてしまわざるを得ない。

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続いて3000形だ。今でも増備が続き、京成の主力車両だ。今では6両編成の7割以上がこの車両が使われる。

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そして3300形がやってきた。カーブを曲がる3300形だ。塗装変更から約20年間、この色でいた。4両編成なのでカーブも魅力的に曲がっている。

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その後に新AE形のスカイライナーが来たので撮影をした。やはりこの車両はどこで撮っても良い車両だ。新AE形は京成線・北総線ともにカーブの撮影地というのは少ないのでこの撮影地は貴重だ。

この列車は津田沼行きだった。その折り返しの上野行きに乗ることにする。その為に高砂駅まで向かうことにした。高砂からの列車が定期運転として乗る最後の3300形になりそうだからだ。

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高砂駅に停車をする3300形。高砂駅でこのような姿を撮影をするのもこれが最後かもしれない。このような構図で3300形を撮ったのは何度も何度もある。高砂駅で後続の快速西馬込行きに乗る。

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快速西馬込行きは青砥駅で先程の各駅停車に接続をする。その為、青砥駅では5分間の停車時間があった。青砥駅を定期列車で乗り入れる3300形に乗るのもこれが最後だと思う・・・。私が昔からの思い出がもう味わえなくなるのか・・・ということで定期列車の各駅停車上野行きには青砥駅から乗ることにした。

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堀切菖蒲園駅を出て、荒川を越える。荒川をこの車両が越えるのもあと数日しかない。荒川を越えるときは、例のごとくAKB48の「夢の河」という曲を聴いた。この曲は、旅や遠征、出張などの帰りに東北新幹線や上越新幹線に乗る時に大宮駅を出て、しばらくして荒川を越えるときに聴く恒例の曲であるが、今回は3300形の最後ということでこの曲を聴くことにした。この車両で荒川を越えるのは何回あったのだろうか、百回、いや千回単位かもしれない。

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最後に京成上野駅まで乗ることにした。今日の乗車は思わず感慨に浸り、涙が出てきそうになった。京成の赤電というものは、何十年も私にとって身近なものだったからだ。この車両は長いこと、自分の生活などを支えてきたのであるから思い入れは他の車両とは全く違う。京成電鉄の車両が廃車になるのは、全てが自分の思い出になってしまうからだ・・・乗り換えて乗車をしていたJRの201系や205系、東京メトロや都営地下鉄などの車両とはこれが違うのだ。

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もう定期列車としてやってくることのない京成上野駅。停車時間が長かったので3300形の室内を撮影をした。室内からすれば、とても1968年に製造をされた車内とは思えない。それは平成の初期の1989年から1990年頃に冷房化による更新工事が行われた時に、車内も当時製造をしていた3600形に準拠をする形になったからだ。むしろ車内の更新工事をほとんどしたことのない京成3500形の原型車両の方が古く感じるくらいだ。

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しかし車体については錆びや傷があった。室内は大幅にリフォームをしても外を見ると古さを隠せない状況になっている。京成上野駅のこの姿は3300形の一つの風景だったかもしれない。

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書きたくても書ききれない思い出が沢山ある3300形。そして京成の赤電。最後に残る京成の赤電の北総の7260形も3月1日以降も走るが、この車両も3月中に引退の話もある。この車両がなくなった時、ついに赤電の歴史にピリオドが打たれる時だ。7260形は京成3300形のリース車両だ。果たしてこの車両はどうなるのか。その時が京成の赤電のグランドフィナーレを迎えることになりそうだ。

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京成3300形は4両2本をつないだ8両編成が2月25日の夜に宗吾参道から高砂まで回送され、26日の夜に高砂から宗吾参道まで回送をされたそうだ。夜の時間帯の試運転を行ったのかもしれない・・・台車の違う3300形同士の連結は初めてであるが、28日に最初で最後の営業運転として有終の美を飾ってほしいものだ。写真は2012年12月に日暮里で撮影をした東京スカイツリーと3300形のファイアーオレンジ塗装と東京スカイツリー、新AE形スカイライナーとのすれ違いだ。ファイアーオレンジのこの風景は2013年3月に過去帳入りをしたが、本当に見られなくなる時がやってきてしまうのだ