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2014年の秋、私は一つの衝撃的なニュースを聴いた。それは、豊田車両センターの189系の1編成(M52編成)が1980年代末期から1990年代の前半に特急あずさがまとっていた白地と緑と赤の線のグレードアップあずさの色になって登場をすることだった。今回はこの車両についての記事を作ることにした。

183あずさ 

当記事では当時の思い出を183系、現在の動いている状況を189系と書くことにした。183系と189系の違いは、現在は廃線になった信越本線の碓氷峠を挟む横川〜軽井沢間を通過ができるかという対応の差によるものであるが、碓氷峠の区間が廃止になった今、この差は形骸化をしたように見えるが、当時の名残がここに残っている。

ボンネットのあさま

リバイバル白山


1990年頃のJRの特急車両は、クリームに赤地の国鉄色の車両が多く、このような別の色はインパクトが合って良く感じたこともあった。あずさ以外にも上野〜長野〜金沢間と今の北陸新幹線ルートをそのまま結ぶ特急白山や今では北陸新幹線の名称になった長岡〜金沢間の特急かがやきなどは485系や489系であったが、写真で見ていてかっこよさを感じた。この色は、当時に鉄道雑誌などで見た時に大変素晴らしい色で、一度生でお目にかかりたいと思わせるくらいのインパクトの強い色だった。

あずさ美人編成
その中でも目を引いたのが、183系の特急あずさのこの色だった。なんだこの美しい色はと思い、ずっと見とれてしまった。その列車が新宿から山梨県の甲府を通り、長野県の松本を結ぶ特急あずさとわかり、新宿へ行けば見られると思っていた。しかし当時の私は新宿までが遠かった・・・

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実はこの車両は、その時代にこのグレードアップあずさ色の183系に家族旅行で乗車をしている。以前、私は名古屋へ初めて行ったのが、100系新幹線の乗車だったことを話をした(詳しくはこの記事へ)が、その時は名古屋から飛騨高山や立山黒部アルペンルートへ行き、その帰りに松本駅から新宿駅までこのグレードアップあずさの183系に乗ったのだ。夜だったので、風景は真っ暗であったが、まさか憧れのこの車両に乗ることができるなんてと私は嬉しくなってしまった。団体ツアーだったので指定席だった。なのでかさ上げをされている座席に座ったのだ。100系新幹線もそうだったが、こちらの方が私はよく覚えている。

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その後もグレードアップあずさの183系は、当時千葉発着が2往復あった特急あずさに使われていたので、自宅に比較的近い総武線に見に行くことが多かった。総武線に新宿発着の中央線の山梨や長野方面からの列車が乗り入れるのは、何か新鮮に感じる。普段は中野区や杉並区を走るのに葛飾区や江戸川区などを通るのも何かカルチャーショックを感じたこともある。

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2015年1月18日、189系を使った青梅線の青梅方面から成田方面への団体専用列車が走った。4か月遅れの内容で今更かもがあるかもしれないが、この列車にグレードアップあずさ塗装のM52編成が充当をされたのだ。そこでこの列車を特急あずさ当時、よく見ていた総武線の江戸川鉄橋で撮影をすることにした。15年、いや20年以上の悠久の時を経てこの姿を撮ることにした。

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そして江戸川鉄橋を越えるシーンだ。江戸川鉄橋と東京スカイツリーを入れて撮影をした。グレードアップあずさ色が総武線を走っていた時代には東京スカイツリーなどなかった。ここで狙いたかったのはスカイツリーと189系のグレードアップあずさだ。東京スカイツリーは東武だけのものではありません。(笑)東京スカイツリーは往年の車両も撮影も魅了をするのかなと思う。総武線の江戸川鉄橋ではスカイツリーは北から見えるのであるが荒川鉄橋では南からスカイツリーが見えるのも面白い。このようなスカイツリーとグレードアップあずさ色の写真を見て、この時代によくぞこのようなコラボレーションが実現をしたと感動をしてしまった。

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この車両を追いかけに、最後に撮影をした場所がある。成田線の酒々井駅と総武線の物井〜佐倉間の名所だ。この日の運用は酒々井駅で長時間の駐留があったからだ。酒々井駅は京成酒々井駅とJR酒々井駅の距離は800mくらい離れている。このグレードアップあずさ色の特急あずさで入っていた時代、千葉発着のあずさ1本を成田空港へ延伸して、特急ウィングあずさとして走っていたこともあった。成田空港のフライト時間も悪くはなく、今でもこのような列車があってもいいかもしれない。山梨や長野に限らず、八王子や立川辺りからのアクセスでもこの列車はほしい。特急あずさの1本を成田空港行に肩代わりにしてもいいかもしれない。

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そして物井〜佐倉間の名所に向かった。この撮影地は総武線の中でも特に有名どころだ。特に鹿島踏切は、この区間の屈指の名所ともいえる場所だ。下り線はカーブ、上り線は直線で撮影ができる。

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この物井〜佐倉間で撮影をした成田からのグレードアップあずさ色の189系の臨時列車だ。季節外れの冬の写真で申し訳ないが、なんか平凡なショットに終わってしまった気もする。幕は「団体」で多客時の特急あずさや開示であれば絵入りのヘッドマークがつくが、それ以外は何かさびしくも感じる。

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まさかこの色の塗装が悠久の時を経て、2015年になっても見られることになった。かつては最も好きな塗装であったこの色。特急に就く機会は少ないかもしれないが、団体専用列車などではしばしば使われ、その姿を見ることができる。特急あずさやかいじでは乗り入れることのなかった場所へも乗り入れることもあるそうだ。当時の写真では東海道線の湘南ライナーにこの色が使われ、湘南ライナーのイメージを醸成をしたこともあった。

この車両は豊田車両センターの189系と共通をされ、新宿〜河口湖間を土休日に走るホリデー富士山1・2号に入ることもあれば、豊田の189系でも他の車両が入ったり、本当に神出鬼没だ。熱心に追いたくても運次第という点もあるかもしれない。せっかく好きな色だからもっとその活躍を見たいものだと思った。

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