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3月5日に訪問をしたひたちなか海浜鉄道。ここでの最大のお目当てはなんといっても岐阜からやってきたキハ11形車両だった。

昨年ゴールデンウィーク前にJR東海で廃車になったキハ11形がひたちなか海浜鉄道が購入をしたことが話題になり、春と秋の2回に渡り、那珂湊の車庫にいることが確認をした。キハ11形のうち、名古屋市の郊外の東海交通事業城北線を走っていた車両も購入をし、その車両の陸送についてはなんと道中の葛飾区内で撮影をした(詳しくはこちらへ)

その中で、キハ11形の1編成が昨年末から営業運転を開始をした。この日は午後から運用に就いていた。その姿をどこかで撮影をしようと決めた。今回目指したのは、勝田の2つ先の金上駅付近であった。

キハ11形はJR東海では岐阜県内の高山本線や太多線を中心に走っていた。本当に岐阜県内がほとんどだった。トイレがない車両のせいか、長距離にはあまり入らなかった。

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撮影地は梅の近くの踏切にした。茨城県といえば偕楽園を中心とした梅の産地だ。茨城らしいものとして梅と入れられる場所を探した。

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一応、踏切で梅とキハ11形を撮影をした。これは那珂湊駅で車両変更が有り、勝田駅へと向かっている姿だ。本当にキハ11形はこのひたちなか海浜鉄道に走っていたのだ。

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もう1枚は、梅にピントを合わせ、キハ205形が少しボケている写真。こういう写真も悪くない。というかどっちもピントが合ってしまうとどっちつかずの写真になる可能性がある・・・それが難しいところだ。

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この後、勝田駅からの折り返しの阿字ケ浦行きのキハ11形を撮影をした。天気もそうだが、何か中途半端さしか見えない写真だ。

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金上駅に戻り、那珂湊方面へ向かう。乗るのはキハ205形だ。この列車は、勝田〜那珂湊間の列車だ。中根駅を通過をする。この駅は桜が美しいようだ。しばらくしたらソメイヨシノの開花後は桜の美しい駅になるのかなと思った。
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那珂湊駅到着後、昨年末に引退をしたキハ2004号車が留置をしていた。昨年のゴールデンウィークに乗車をしたが、板張りの床などが印象的だった。種別版にさようならキハ2004という標識がある。走る姿は何回か撮影をした。おでこのライトとタイフォンが印象的だ。

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そしてキハ205形とキハ2004形が連結をした。いずれも1965年頃から50年以上にわたって走っている気動車であるが、今では両車両ともひたちなか海浜鉄道の旧型車両だ。キハ205形はいつまで走るのだろうか。もっともっと美しい風景の写真も撮影をしたい。

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那珂湊駅からはついにキハ11形に乗る。キハ11形はどこで乗車をして以来かな・・・現在、ひたちなか海浜鉄道に所属をしているキハ11形はキハ11−5と11−6の2編成ある。今日乗ったのはキハ11−5だ。この車両は座席についてはJR東海の岐阜県内時代と同じくセミクロスシートで、座席のモケットなども変わっていない。もちろんトイレもないが、この路線であれば別にトイレがなくても構わないか・・・

座席はロングシートに座った。確かに乗っているとディーゼルエンジンが結構ひびく。それでも旧型車両に比べれば新しい。クロスシートということで観光客にも好まれるかもしれない・・・

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そして勝田駅に到着をする。今後、ひたちなか海浜鉄道の主力になるこの車両。那珂湊などの漁港や国営ひたち海浜公園などのアクセスなどでも使われることになりそうだ。岐阜から茨城へと移り、新しい旅路が始まったようだ。

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これは平成21年(2009年)11月にJR東海の名古屋工場で検査をされた標識だ。これでこの車両がJR東海の岐阜からの車両だというのがわかるようだ。そういえば名古屋を拠点とする某アイドルグループも2月20日にひたちなか市内でライブを行った。そのときは、ひたちなか海浜鉄道のホームページでもそのアイドルグループがやってくることについて書いていた。

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その2月20日にはスマホアプリのレールブックとタイアップをした列車がこのひたちなか海浜鉄道で運転をされた。

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そして最後の写真がこちら。勝田駅のひたちなか海浜鉄道ホームに止まるキハ11形と2番線の常磐線水戸方面ホームに止まる415系だ。415系はまもなく勝田からの引退を控えている。415系とキハ11形の並びはごくわずかの期間しか見られず、レアな組み合わせになるかもしれないからだ。

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しかもこの2つの車両の外見もよく似ている。415系もキハ11形も上部に行き先表示、窓の形がよく似ている、そしてライトが角形だ。本当によく似ている。というのもこのキハ11形と415系はほぼ同時期に製造をされたからだ。JR東日本とJR東海の車両がここで並ぶのは意外かも知れない。短い期間であるが、レアな組み合わせになりそうだ。

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勝田駅から水戸駅までその415系に乗る。これが最終乗車になる可能性もあるからだ。この車両は大半がロングシートで製造をされたが、2007年までは常磐線の上野駅まで乗り入れ、荒川や江戸川・利根川もこえていた。もうひとつの主力の水戸線では、昔、父の用事で水戸線に乗ることがあり、友部駅や小山駅などから乗ることも多かった。都市部の通勤輸送と水戸線のようなローカル線と2つの顔を持っていたこの車両。最末期は常磐線友部以北と水戸線でローカル輸送に徹することになった。

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この列車の行き先は広野行きだ。広野は、いわきの5駅先だ。現在、常磐線はいわきの7駅先の竜田駅で止まっている。竜田〜原ノ町間は福島第一原子力発電所に近く、東日本大震災の原発事故の影響を未だに強く受けており、なかなか現地調査もできない状況であった。しかしながら、調査が終わり、2020年をめどに復旧をしていくようだ。あす3月11日で東日本大震災から5年を迎える。415系は、あの日までは原ノ町まで乗り入れていたが、あの日を境に原ノ町まで行かなくなった・・・原ノ町までまたこの車両が行くことはなくなってしまった。

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東日本大震災では、茨城県内もひたちなか海浜鉄道や鹿島臨海鉄道なども長期運休になるなど影響を受けた。常磐線の特急ひたちもしばらくの運休を余儀なくされた。岩手・宮城・福島の3県が取り上げられることが多いが、茨城県もあの日に鉄道などが多く影響を受けた。あの日から5年、この地域の鉄道も東日本大震災の影響を乗り越えて、今日も走っているのだと改めて考えさせることになった。