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5月15日の大井川鉄道の訪問。前半は、急行SLかわね路の撮影や川根温泉などの訪問がメインであったが、後半は千頭駅からのSLの乗車をすることにする。前半戦はこちらへ。

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千頭駅は、大井川鐵道の鉄道線とトロッコアプトの井川線の境目駅だ。まずは井川線の写真を少しだけ紹介をする。ホームの床が低い。それに車両も小さい。国内で唯一アプト式の鉄道をやっているのはここだけだ。それだけ貴重なものだ。昔は信越本線の碓氷峠を挟む横川〜軽井沢間がアプト式であった。ヨーロッパ、とりわけスイスなどは有名だ。この大井川鐵道の場合は、途中の区間に90%の超急勾配があるので、その対策としてアプト式の車両を走らせている。ここはまるで日本でなく、スイスのようにも見える。

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そしてSLの入れ替え作業も見ることもできた。2番線にSLかわね路1号を後ろから引っ張っていたED10形という電気機関車が停車をしている。3番線にC10形8号機と客車が停車をしている。下の写真は下から煙を吐くところで、白い煙でED10形も影響を与えているシーンを撮った。

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2番線に一旦、ED10形が去った。まずは形式写真を撮ることができた。そして、SLが切り離され、再び2番線にED10形がやってきた。そのあと、3番線から2番線の渡り線を経由をして、3番線にもSLが後ろ向きに走っている。

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そしてED10形電気機関車も、3番線から2番線へ行く事になる。2番線は縦列のように、SLと電気機関車がいる。そのあとは、再度2番線へいき、ED10形電気機関車を一番後ろに連結をする。

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そしてSLは転車台へと向かった。SLの転車台の回転のシーンは間に合わなかったが、転車台に止まるSLを見ることができた。

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その後、SLは金谷よりの客車に連結された。そしていよいよSLの発車まで準備をする。あと発車まで一時間。

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それまで時間があるので、駅周辺を散策をする。偶然に井川線が来る時間だったので、井川線の走行も駅のすぐ近くで撮影をすることができた。千頭駅の周りでは、SL記念館があったり、ダムについての道の駅もあったり、観光施設もある。この辺りは静岡県川根本町だ。五平餅もこのあたりが本場だ。

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そして千頭駅に戻る。ここからSLに乗る。発車時間は14時53分だ。あと発車まで15分ある。編成はかわね路1号と同じく、7両編成の客車で、3両はオレンジ色でトーマス・ジェームス仕様だ。この大井川鐵道のSLの客車は全て旧型客車だ。

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今年で運転開始から40周年を迎える大井川鐵道のSL列車。大井川鐵道は、合計5台のSLを持ち、旧型客車も22両もいる。今日は日曜日で7両編成で走るが、どうやら満席のようだ。千頭駅ではとても満席になるようなことはなかったが、途中から乗ってくるようだ。今日のC10形の8号機は、1997年から大井川鐵道に入った。

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本日乗るのは1号車で、号車は、スハフ42形の286号車だ。スハフ42などスハ43系客車はそのほとんどがトーマス・ジェームス仕様のオレンジ色に塗られた。外見はオレンジだが、中身は旧型客車などと変わらな方。網棚が糸の旧式だった。

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大井川鐵道の旧型客車のうち、オハ35系とスハ42系がメインだ。オハ35系は茶色のままで往年の状況だ。オハ35系は、戦前〜戦後、スハ42系は戦後の製造だ。千頭駅の駅名票なども昔のままだ。雰囲気を出そうと白黒の写真を作ってみた。

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そして14時53分、急行SLかわね路2号が千頭駅を出発をする。汽笛がなり、出発をする時の蒸気を使った加速、それがSLの出発の醍醐味だ。SLの乗車は約5年ぶりだ。いきなりSLの車掌さんがいろいろと解説をしていった。どうやら7号車には千頭駅から団体客が乗っているようだ。その団体向けへのアナウンスもしていた。車掌さんがまるでマシンガンのように話している。オハやスハフなどの車両の意味やC10形についての紹介もしていた。

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2号車には客があまりいない。しかしながら、車掌さんの話ではここも途中から団体客が入るそうだ。千頭あたりの大井川鐵道は、大井川が車窓の右側(西側)に見える。山深い渓谷の中を通る。茶畑はまだ多くない。

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一番最初の停車駅は、川根温泉笹間渡駅だ。午前中に降りた駅だ。そして川根温泉の脇を通過をする。川根温泉の道の駅の客などがSLに手を振っている。これが大井川鐵道のSLのひとつの風景かも知れない。温泉から手を振るのは少し問題があるので、客が手を振っている写真へと変えた。この撮影地、トーマスやジェームスが走るときはとんでもない混雑になりそうな気がする。そして大井川を越える。

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トンネルも多く、トンネルを越える時のSLはなにかワクワクをしてしまう。再び抜里駅付近の幻想的な茶畑の風景を通過をする。そして家山駅に停車をする。この家山駅、駅のホームがラッシュ時の混雑並みだ。この駅で、団体客が乗ってくる。どうやらY売旅行の団体客だそうだ。この駅から一気に埋まった。そして満席になった。大井川鐵道のSLがまさにい団体客で大きく支えられていることがよくわかるシーンだ。

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家山駅の次は、終点の新金谷駅だ。行きも通過をしたがこのあたりは茶畑が多い。室内からもお茶の匂いがしそうな感じだ。旧型客車は、もう60年から70年走っているが、洗面所やWCなどもリフォームをしていたり、そこも評価をできる。途中通過をする神尾駅は桜の名所としても知られている。年中走る大井川鐵道のSL、桜を入れて撮影をするのもいいかもしれない。そして新東名高速道路の島田金谷インターの近くを通る。新東名高速道路の開通は大井川鐵道への利便性を大きく高めたのではないかと思う。車内販売でグッズなどを販売をしている。さすがに昼間ではないので弁当の販売はしていない。

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そして新金谷駅に到着。この駅が終点だ。到着するやいなや駅は大賑わいだ。いわゆる激パ・大激パというものかもしれないが、今日は撮り鉄による大激パではなく、Y売旅行の団体客を中心とした大激パだ。駅のホームでもグッズの販売が行われたりしていた。

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新金谷駅で、Y売旅行の団体客を始め、多くの客は駐車場へ行った。金谷駅へは一区間だけ乗車をした。新金谷駅では、金谷行きの列車の出発前に駅員により、「また逢いましょうお元気で!」という垂れ幕を出していた。いかにして大井川鐵道のSLが大井川鉄道を支えている基盤だなと感じさせるシーンだ。大井川鐵道はこの数年、利用客の低迷が大々的に報じられている。それでもSLを中心にして経営をしていきたいというのはぶれていない。大井川鐵道を支えていくのはSL客であるというのを再認識させられた。

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そして金谷駅に戻る。大井川鐵道のSLの乗車。それは大井川鐵道の日常を知るとともにそこから眺めていく新緑やお茶畑などの美しさも感じられた。このSLは往年の面影でまさにタイムスリップをしたようにも見える。このような数十年前の風景は、今の日本では発見をしにくい。この古さなどが魅力なのかもしれない。SLだけでない、関西を中心に長年走った車両も普通列車として走っている。古き良き時代の発見を身近に感じられるのが大井川鉄道の特徴だろう。次はいろいろな季節のSLを撮影に行きたい。トーマス・ジェームスももちろん魅力的で撮影もしたい。そしてアプト式トロッコの井川線もぜひ乗車をしたい。SLとアプト式トロッコがあって大井川鐵道は成立をしているのだから。金谷駅からは静岡駅へ向かった。SL利用者の多くは新金谷駅からのバス・自動車で、金谷駅から東海道線という客はそれほど多くなかった。とはいえ、新幹線で東京方面からは静岡、名古屋・大阪方面は掛川か浜松で乗り換えていくのが最も鉄道では便利なルートだ。

当記事は普段よりも多い30枚以上の写真を入れて記事にした。30枚までを原則にしているが、今回は例外的にそうした。投稿当初に比べて記事を一部変更をしました。