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先日、葛飾区が新金線を使って旅客線を路面電車で走ることができないかという検討に入ったというニュースが飛び込んできたので、このニュースについて書いてみることにした。(NHKのニュースはこちらへ。動画サイトでのニュースはこちらへ)

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新金線とは総武線新小岩駅と常磐線金町駅(運行上は千代田線と書く事も多いがここではこのように表記)を結び、今では一日数本の貨物列車が走っている。時折、この新金線には総武線と常磐線を繋ぐ列車が回送列車や団体専用列車として走ることもある。

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このように新金線は、葛飾区を縦に走っているにも関わらず、運転本数が非常に少なく、旅客ではないので半ば無用の長物とかされている点もある。それにも関わらず、新宿(にいじゅく)踏切などは国道6号線の渋滞名所としても極めて有名であるなどむしろ道路交通に影響を与えている点もある。

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現在の葛飾区の交通網の中心は区の北部に常磐線・千代田線、中央部に京成線・京成押上線・京成金町線・北総線といった京成系の各路線、南部に新小岩駅などを要する総武線が走っている。しかし、千代田・常磐線〜京成線〜総武線を結ぶ交通網は主に京成バス(一部は京成タウンバス)が走っている。具体的には綾瀬駅からは堀切菖蒲園駅や葛飾警察署を通り、新小岩駅へ向かう路線(新小51系統・京成タウンバスの運行)、亀有駅からは環七経由(新小58系統・京成タウンバス)と青砥駅入口・奥戸経由(新小53系統・京成バスの運行)で新小岩駅へ行く路線、金町駅からは新柴又駅・京成小岩駅近くを通り小岩駅へと向かう路線(小55系統・京成バスでの運行)、最近では、土休日のみであるが、金町駅から葛飾区の総合スポーツセンター(奥戸7丁目)を通り、新小岩駅を結ぶ新金01系統も登場をした。

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余談であるが、葛飾区には都営バスの青戸車庫もあるが、金町駅から墨田区内を経由をし、浅草寿町(平日は上野松坂屋)へ結ぶ草39系統、青戸車庫から同じく墨田区内を縦断をし、錦糸町駅へ向かう錦37系統もある。葛飾区内で完結をする路線は原則としてなく(金町駅から青戸車庫への出入りは存在をする)、荒川の向こうの墨田区や台東区を目指す路線がメインだ。また新小岩駅からは葛西や西葛西方面からも都営バスが乗り入れるが、こちらは江戸川区内の交通網に組み込まれている感じだ。都営バスは郊外と繁華街を結ぶという役割が強い。

そのためか、葛飾区のバスでの交通は京成バスが主導になって行われていることが多い。千代田・常磐線〜京成線〜総武線を結ぶバスだけでなく、駅と区内の各所(例えば亀有・青砥〜慈恵医大病院など)を結ぶバスも京成が主導で行っている点もある。同じ区内を結ぶの交通網がバスが主体になっているのは葛飾区に限らず、隣の足立区や江戸川区、周辺の江東区、都区内では杉並区や世田谷区あたりでも似たような課題を抱えている。

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導入を検討をしている路面電車は、主に富山などで走っているLRTと呼ばれているものを軸に考えているそうだ。広島電鉄にも似ているかもしれない。都電荒川線とはまた違うものだ。新金線を活かすという点では評価をしていくが、実現には何らかの有り得そうな話があるのではないかと思う。

では、新金線の旅客化について有り得そうな話を書いてみた

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まず、京成電鉄がこの路線をどう思うかだ。この新金線のエリアは、京成線の高砂駅などに近い場所を通り(3枚目の485系のリゾートエクスプレスゆうの写真はその京成と新金線の交差部分で撮った)、特に高砂駅に近い場所を通るとなると京成は旅客を取られてしまう可能性があるからだ。高砂駅周辺は京成の独占区間で、他の周辺駅からも離れているので、旅客の流出は少ない。周辺の利用者も新小岩・金町に出られるとなると、東京駅・新宿駅への直結のある新小岩駅、北千住や大手町・霞ヶ関などに直行ができる金町駅に流れる可能性もあるかも知れない。京成線は上野や日本橋・銀座、羽田空港・成田空港などへ直結をしているも新小岩や金町に比べる路線に比べると多少弱くみえてしまう点もあるためそれは少し深刻かもしれない。もしも高砂駅の近くに駅を造るとなると、高砂駅とは離れた位置になってしまい、乗り換えなどがしにくく、中途半端な駅になりかねない。それらを考えると京成はこの路線について真っ先に反対をする可能性もあるのではないかと思う。

葛飾新宿踏切と新金線
続いて、国道6号の新宿踏切について。この新宿踏切は都内有数の渋滞スポットで、交通情報では常に取り上げられる場所だ。荒川の四ツ木橋から江戸川の金町駅付近の新葛飾橋まで約5kmあるが、最悪の場合は1時間以上かかることもしばしばある。その原因の一つがこの新宿踏切だ。現在、この辺りでは幸いにも拡幅工事も行われているが、もしも旅客を頻繁に走らせるとなると立体交差などの対応を取らなければならないと思う。この路面電車では東急世田谷線の若林の踏切を例に挙げることがある(ここは信号と東急世田谷線が連動をし、世田谷線が通過をするときは信号は赤になる)

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見ての通り、ここは単線だ。場所によれば複線化、駅の増設などもできそうな箇所もある。しかし、高砂付近や新中川の鉄橋などは少し複線化が手間取るのではないかと思う。ならば京成金町線の柴又〜金町のように単線でも良いかもしれないが、しかし単線では運行にネックが生じるので、複線化は必ず求められるのではないかと思う。

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その他、金町駅や新小岩駅は貨物の線路があるためにもしも旅客で走らせるのであれば貨物の邪魔にならない位置に設置をしなければならなくなるかもしれない。ただひとつだけ好条件が有り、車庫を作るのであれば、新小岩や金町は敷地の一部を使える可能性もあるかも知れない。

その為に既存の設備を活かすとなると用地買収などの必要がほとんどなく、費用はある程度は圧縮ができるかもしれないが、やはり予想以上の高コストにならざるを得ないのかなと思う。それだけでなく、京成との理解などを得られるかどうか、新宿踏切などのボトルネック箇所の問題、複線などの問題、そして貨物の施設を使えるかどうかなどの問題が生じるのではないかと思う。今の時代、鉄道の建設は都市部となるとかなり難しいものだ。それをどのように克服をするかにかかっているのではないかと思う。葛飾区ではこの路線の調査などの予算に2000万円を新年度に計上をするみたいだが、それで大丈夫なのか。

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一方で利便性の向上となると隣の足立区の日暮里舎人ライナーやつくばエクスプレスの沿線のように駅周辺の人口や資産価値や土地価格の向上なども少しはありそうだ。舎人ライナーやつくばエクスプレスは順調に利用者も増えているそうだ。(こちらの場合は山手線駅の直結も一つの大きな理由であるが)京成やJRなども建設には反対をしても地域の発展のためという視点を持ってくれるかどうかだ。高い代償を払って建設をしていくか、それとも今回も立ち消えになってしまうのか、その行方が気になるところだ。